SOUL EAT!!!

ぐるぐる回る 風の時代がやってくる

『流線型の夢を放つ』

今頃観た。 " 風立ちぬ " 「あの」宮崎監督最後の長編映画。 「あの」ジブリ。 主演の声は「あの」人で。 とか、「あの」がついてしまうのは避けられず、何がしか先入観持って観てしまう。 しかし、そんな「あの」吹っ飛ばす傑作。気付いたら見入ってた。 か…

『インヘルノとよびし地獄、現れたり』

夜に咲く、幻の花。 艶やかに、絢爛と、魔性の香り放ち、 夜に咲く花。 咲き誇ることもなく、人知れず。 あるいは、たったひとりの為だけに。 執念と情念と覚悟と業。 逃れることのできぬ因果。 豊穣なる闇を呼吸し、咲いて、散る。 同じ花はふたつとない。 …

『戦う女神たちの季節』

「クエンティン・タランティーノ監督作品でどれが好き?」 映画好きが集まって話すときのお題として、盛り上がるひとつ。 「やっぱジャンゴじゃない?」 最新作が最高傑作という。 まったく。然り。うなずく。 ディカプリオの悪役っぷりも素敵だった。 「い…

『" 6 " には収まらず』

ざっくり西と東で分けてみる。 純粋無垢な、完璧な世界がかつてあった。そこをエデンと呼ぶ。 しかし知恵の実食べたがゆえに、無垢は失われ、善悪と正邪のはびこる世界が生まれた。 西の思想は、かつてあったところを楽園とする。 純粋無垢を、穢れなきもの…

『それでも君に会いにゆく、掴んだその手は2度と離さない』

何があっても、君の許へ。 2人で一緒に暮らすんだ。 【純愛】描いた作品として、7月7日に挙げるにこれほどふさわしい漫画はないだろう。 2人は互いの本当の姿を知らない。 仮想空間で知り合い、恋人となった。 男女が隔離され、階級によって貧富が定めら…

『この星はとてもさみしい。さみしいけれど』

おかしいな。 こんなはずじゃなかったのにな。 間違ったわけじゃない、何がいけないってわけでもない。 あの頃に戻りたいってわけでもない。 でも、何か、足りない。 「私を見て」「僕を見て」 ちょっと違う。 刺激が欲しい?パートナーに飽きてきた? それ…

『7月、太陽に恋をする』

彼女の名前はユーリといって、自由で奔放で、魅力的。 彼女が好きになった男はダニエルといって、これから教師になろうという、イマイチ冴えない、「彼のどこがいいの?」正直な女友達は言う、しかし憎めない男。 それでもユーリは確信してる。 '' 彼が運命…

『その夢は切なすぎる』

恋をした。 結ばれた。 満ち満ち、あふれ出す喜び。 弾む心。 美しさばかり映すようになる瞳。 「愛している」 「愛されている」 完璧な世界。 恋をした。 ずっと一緒にいたいと思った。 ぬくもりを、匂いを、身体を、すべて丸ごと抱きしめて離さず、もう、…

『その惑星の夢を見る』

枕元に置いて寝ると、その星の夢が見られる。 そんな噂も聞こえてくるような、メビウス画集。 " B砂漠の40日間 " “ ラフスケッチや下書きをせずに一発描き ” というのだから、驚く。 “ しかも修正ひとつ入れずに仕上げた ” というのだから、また驚く。 し…

『月を射る』

" 銀河を舞台に、新たな神話を創造する。 人間だけでなく、動物、植物、鉱物の心まで目覚めさす、新しい聖典を創りあげる " 壮大な意図の下、集められたのは錚々たるメンバー。 完成していたら、時代は今と変わっていただろうか? 間違いない。 断言、納得…

『死神と対話する』

ベルイマン監督の " 第七の封印 " 小難しい、抽象的な映画なのかなー。 と思っていたら、全然、違った。 普遍のテーマを、むしろわかりやすく、生き生きと描いた、素晴らしい映画だった。 どうして、" いい映画 " ってのは、その一場面、ワンカットだけでも…

『 #2 singing in the rain 』

今週のお題「雨の日が楽しくなる方法」 " 第2話 ジーン・ケリーのように " 雨の日に。山の中で。雷鳴を聴きながら。 2人が踊る。 名場面。 2人ってのがよい。ほかには誰もいない世界。分かち合う永遠。 ぽつり。 落ちてきた雨。 「あ、傘」 と思うより早…

『冥王星あたりから、お茶の間に』

「ラピュタは本当にあったんだ…」 空に浮かぶ城を見たら、思わず、そう呟くだろう。 星と星をつなぐ、銀河を駆ける列車を見たら、 「銀河鉄道は本当にあったんだ…」 そう呟くだろう。 そんな心持ちになる、美しい音楽として、ずっと聴いていたアルバムがある…

『時間の花を取り戻すんだ』

灰色の男たちは売りつける。 「あなた、その時間、無駄にしてますね」 「もっと合理的に使いましょうよ」 「あなたのためなんです」 賢く生きる秘訣を授け、植え付け、奪い取る。 灰色の男たちに名前はない。記号がある。役割がある。 彼らは奪うことで生き…

『生命核に響くその音像を鏡とする』

たとえば。 世界に満ちる「悪意」をウィルスのようなものと捉えてみる。 「悪しきもの」とは、それに「感染」した「患者」と捉えてみる。 この世には、ウィルスが蔓延している。 自覚症状のない患者たちで溢れ返っている。 多数決がよしとされる世界では、寧…

『あてどなく彷徨い歩く日々は終わりを告げ』

星を眺めている。 澄んだ空気の中、満天の星空を見上げている。 見つける、自分だけの星たち。 繋ぎ合わせ、浮かび上がる星図。 現れた〈それ〉の声を聴こうと耳を澄ます。 ささやかな啓示のときを待つ。 そんな幻想も浮かび上がる、美しいアルバム。 激し…

『世界を再創造する奇蹟の双子』

のように、捉えて聴いている。 人は2度生まれるという。 物理的な誕生。 そして、祈りと願い込められた、己の「名」を受け入れるとき。 「自覚」のとき。 再誕の喜び。生命力の発露。 鳴らされる「瑞々しい」轟音。 初めて水に触れた。風が頬をなでるのを…

『自らが生み出す』

肌に風。 土の匂い。 朝露乗せた葉が、やわらかく揺れているような。 見つけた結論。 存在の意味。 #2 " 夢幻の探求の冬 " 美しさと儚さと。荒れ狂う吹雪のような、轟音。 (ジャンル問わず " 美しい曲 " 選ぶとしたら、この1曲)

『金色の夢を生きるように』

この世界は生きるに値するか。 過ちは繰り返し繰り返し、繰り返され続け、 弱者は虐げられ、搾取され、騙され、奪われ続け、 憎しみが連鎖し、受け継がれ、伝染し、蔓延した世界。 見なければよい。聞かなければよい。ないことにすればよい。否、と。 声な…

『すべてはひと時の夢と』

過去の一切、すべてが夢と。 溶けて、消えて、ゆくような。 すべては過ぎ去ってゆくのだと、感慨抱く心も、また、夢と。 「家に帰ろう」 そして、目覚める。 夢から覚め、またこの世界へ。 悲嘆、憤怒、絶望、苦悩。待ち受ける世界へ。 すべては夢。 しかし…

『 月さえも掴めると思っていた 』

無力。始まりは、底から。 悲痛な、血を吐き出すような、叫び。 一片の救いさえないと見えた世界で得た気付き。束の間の眠りにも似た、ラスト、壮大なエピローグ。 雲間から射す光はささやかなれど、確かな希望。 a dead sinking story

『その " 左手 " の破壊力たるや』

イントロが鳴った瞬間、発火。 照明はやっぱり、赤が似合う。 血のような、煮え滾る溶岩のような、赤が似合う。 3秒とかからず沸点に達する、あの瞬間。 ハードコアでしか得られない感覚だと思う。 連作短編集のような、映画のような。 ラスト " 君の靴と…

『初期の黒』

「--って知ってます?」 と差し出されたカセットテープ。 「え。知らない」 曲名も書かれていない、練習用に録音したカセットテープを、" 激しい音楽が好きなら " とギター弾きの友人がくれたのが10数年前。 何の予備知識もなしに、聴いて、 ……お、 おお…

『なんだかよくわからないけれど、ここには大事な何かが書かれているぞ』

からだの本である。 思索の本である。 そして、『ことば』の本である。 原初生命体としての人間 ― 野口体操の理論 作者: 野口三千三 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2003/06/14 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 10回 この商品を含むブログ (22件) を…

『竜をつかまえにゆく』

今週のお題「最近おもしろかった本」 アーシュラ・K .ル=グウィンで『夜の言葉』 その名、そのタイトル、それだけで魔法が発動しそう。 『ゲド戦記』で知られる、ル=グウィンの " ファンタジー・SF論 " 夜の言葉―ファンタジー・SF論 (岩波現代文庫) 作者:…

『すぐそばに、北斎とその娘と、ソクラテスとその妻』

今週のお題「最近おもしろかった本」 再読である。 " 江戸を見に往く " のである。 「活写」という言葉がある。" 文章・画面などに、いきいきとあらわすこと " と三省堂国語辞典にある。 映画も、原作も、『百日紅』、活写されているのである。 江戸が。 葛…

『その花の名は』

現在、絶賛劇場公開中の " 百日紅 "タイトルもいいんだよなあ。 北斎の娘が主人公である。 主題歌は椎名林檎である。 納得である。いいと思う。林檎さんらしい曲でよかった。 よかったが、しいて難を言えば、デビュー間もない、あの頃の林檎さんみたいなミ…

『そろそろ、あんたの絵を描きなよ』

江戸時代とか特に興味ないし。 葛飾北斎とか知らんし。「あー、あの有名な絵?波のやつ?」 という人間が、 「江戸時代、おっもしろ!」 「葛飾北斎って、ほんと、あんな人だったのかなあ!?」 好奇心ウズウズ発動、江戸のこと、北斎のこと、もっと知りた…

『悲しくて、痛い』

腹腔、うねり、渦巻き、鎌首もたげる大蛇のような。 冷静に冷静にと呼びかける調教師の言葉など聞く耳持たぬ、獣の類のような感情。抑えきれずに、わななく身体、 「あー、だめだ」 ぷちん。 切れてしまう。 つないでいた何かがちぎれてしまう。 その感じ、…

『振り子のように、善と悪。振れ幅は次第に大きくなり、勢いを増し』

" ブレイキング・バッド / SEASON 2 " 真面目で穏やかな性格。家族思いの高校教師ウォルターが、謎の存在ハイゼンベルクとして闇世界に本格的デビューを果たす1stラスト。 SEASON 2 は、一帯を取り仕切る、ヤク中にして狂犬のごとき元締めとの戦いから…