『ミッシェル・ガン・エレファントという奇跡について語る その4 -High Time- 』
そして待望の2nd 『 High Time 』である。
謎の覆面男と異国のスーパーマーケットのジャケも抜けのよさを感じさせる。
ミッシェル初期の、晴れて乾いた空気感が魅力的な名盤である。
『異国』と、どこかコミカルな覆面スーツの男。
その後のメンバーの活動や、伝説となったミッシェルのイメージからは想像がつきにくいが、初期ミッシェルには、『笑い』の要素、世間を相手に『笑ってやるよ』と『すかした』感じがある。
自分の音楽の趣味にはこだわりがあって、けっしてそれは譲らない。
くだらない音楽には、くだらねえって言う。
好きな奴だけ聴いて、踊ってくれりゃいいよ。
そんな態度とスタイルでやってけるとでも?
期待はされつつ、その傲岸不遜に半信半疑、遠目に見ている人も多かったと思う。
だからこそ、そのふてぶてしさ、『面白けりゃいいよ』と振り切った姿が際立ってカッコよく、応援したくもなったのだ。
『戦略』なんてものは、ない。
『別に。俺らは俺らの音楽をやるだけ』
それもまたアーティストサイドのマネジメントだったのか、は知らない。
ただひとつ、はっきりと言えることは、そう言い放ち、証明するだけのライブをし、作品を作っていた、ということである。
『どれがシングルでもいいよ』
とは、まさに。どれもいいからだ。
アルバムとしての統一感と、一曲ごとの多彩さ。
『シャンデリヤ』のカッティングだけでも。
『 blue nylon shirts 』の空を見上げたくなるような詩情だけでも。
『 sweet MONACO 』の踊り倒して歌い倒したくなるような爽快感だけでも。
もう、『カッコいいなあ…!』と思わずにはいられない。
勝手に身体が動き出している。
2ndアルバム
『 High Time 』
聴き倒すことをおすすめする。
- アーティスト: Thee michelle gun elephant,yusuke chiba
- 出版社/メーカー: 日本コロムビア
- 発売日: 1996/11/01
- メディア: CD
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