『 目指すはいまだ見ぬ地!“ アウト・ブルーズ ” ミッシェル・ガン・エレファントという奇跡について語る その11 』
アルバム未収録。
ということで、見落とし、聴き落としの方も多いのではないだろうか。
単発で聴いても、カッコいいのは間違いないのだが、
ベストアルバムの中の一曲、として聴いてもグレイトな曲であることは間違いないのだが、
『アウト・ブルーズ』
『ミッシェルの流れ』の中で聴いてみると、また違った聴こえ方がするはずである。
“ブルー『ス』じゃなくて、ブルー『ズ』”
リアルタイムで聴いていた僕は、当時「あー、そうなんだー」ぐらいにしか思わなかったが、この『ス』と『ズ』の違い。
しばらく時間がたって俯瞰で見れる今、考え直すと、改めて、チバの言葉のセンス、ビジョンの明確さに驚かされる。
前作『G.W.D』において、焔吐きまくり、噴き出しまくり、爆走を感じさせたミッシェルガンエレファント。
その行く先を示した、『アウト・ブルーズ』
音にも言葉にも、『そして何処へ向かうのか』『何をしたいのか』がはっきりとしている。
デビュー当時から漂っていた不敵さ、ふてぶてしさは、ここに来て、
『もうやるだけやりまくってやるよ』
と、もはや確信に満ちた無敵感を上乗せした。そして舞台は世界である。
アメリカ進出、とか、海外デビュー、とかではない。
見知らぬ土地で、見知らぬ観客の前で、ただただ『ロック』を『ブルーズ』を鳴らす。鳴らしまくる。
どこまで自分たちの音楽が通用するか、と挑戦者の気概ないわけでもなかったろうが、姿勢は、
“ まきちらして!
だらしなく!
ア! ア! アゥブルーズ!!! ”
である。
“ なんでもない街まで ”
“ そうでもない国まで ”
である。
かっこよすぎること、この上ない。
カップリングの『SODA PRESSING』も、まだ未聴の方はぜひ聴いて欲しい。
『Boys』のオリジナルと聴き比べてみて欲しい。
『カバー』する、ということは、それなりの、そのバンドらしいアレンジだったり、ここはこうした方がかっこいい、という『そのバンドならでは』の変更があるからこそ、聴き応えがある。と思いがちだが、ここでのミッシェル。 ど直球である。 原曲そのまんま。 しかし、それが、びっくりするほど『ミッシェルの音楽』になっている。