『調律、および浄めの儀式として。祈るように』
真夜中、ひとり、執り行う。
電気消し、白纏い、ヘッドホン装着する。
外界を遮断し、その世界へと没入する。
神に挑む。大いなるものに挑む。
巨像を打ち倒す。
たった一人、挑む。
味方もいない。見ている者もいない。
蟻が象に挑むかのような、無謀。
恨みなどない。
己の力を試したいわけでもない。
" 人類を救うため " " 大義のため " の戦いでもない。
何のために?
失われし調和を取り戻すために。
眠れる彼女を、ふたたび、蘇らせるために。
" 映画 " としても素晴らしく、重み、深みのある傑作『ワンダと巨像 』
その物語もいいのだけれど、巨像との1対1の戦い、定期的にやりたくなる。
討ち倒さねばならぬ " 敵 "、" 状況 " 重ね合わせて、シュミレーション。
" 奴 " にも、その抜き差しならぬ状況司る " 運命 " にも、どこか、必ず、弱点がある。
探すのだ。
見つけ出すのだ。
巨像を、討ち、倒すのだ。
調律、および浄めの神事として、魔術的儀式として、ひとり、真夜中、プレイ。
快哉を叫ぶ勝利ではない。
最後の一撃、スローモーション、" どうっ……!!!" ゆっくり、崩れ落ちるその巨体。
荘厳と。
悲しみさえ湛えた勝利に、なぜか癒される心。
聖なる戦いに、自ずと洗われる心。