『なんだかよくわからないけれど、ここには大事な何かが書かれているぞ』
からだの本である。
思索の本である。
そして、『ことば』の本である。
" 体操 "
と聞いて、ぱっと思い浮かべるのは、" ラジオ体操 " だとか、オリンピックの体操競技とか。
「健康のために体操をしよう」とか、
「激しい運動の前には準備体操を」とか、
そういう意味合いでの " 体操 " ではなく、
『原初生命体としての人間』が " 体を操る " ということ、
" 自分自身のからだの動きを手がかりにして、人間とは何かを探検する営み " を、ここでは " 体操 " と名付けている。
なんだかよくわからないのも、当然。
『からだ』『感覚』を『ことば』で再定義しているのだから。
すらすら読めない。
読めないけれど、根本見据える視線と真摯さ、生命の根源に触れるよう。
“すべてのものやことにおいて、括弧でくくるということは、能率主義の立場からは重要な意味をもつが、括弧でくくられた中に、大切な意味があることを、見逃してしまう危険があることを注意しなければならない”
ぱっとめくった頁。
はっとなる言葉。
自分とは、何か。
このからだは、この動きは、何を語っているのか。