SOUL EAT!!!

ぐるぐる回る 風の時代がやってくる

『時間の花を取り戻すんだ』

 

灰色の男たちは売りつける。

 

「あなた、その時間、無駄にしてますね」

「もっと合理的に使いましょうよ」

「あなたのためなんです」

 

賢く生きる秘訣を授け、植え付け、奪い取る。

 

灰色の男たちに名前はない。記号がある。役割がある。

彼らは奪うことで生きる。目的があり、手段があり、達成のために生きるが、生きる理由を考えはしない。しかし死にたくはない。

 

" 何のために生きるのか "

奪うため。

" なぜ奪うのか "

生きるため。

" 生きて何をするのか "

糧を奪う。

" なぜ奪うのか "

奪わなくては生きてはいけない。

" 奪わなかったらどうなるのか "

それ以外に生きる術を知らない。

 

灰色の男たちは売りつける。

価値ある生の理念を売りつける。

しかし、価値ある生を生きてはいない。

 

それでも灰色の男たちは売り歩く。

延々と、命を永らえさせるために、売り歩く。

それが仕事だから。それが生きる術だから。

 

 

『魔』に浸蝕されてゆく人々、街。

 

灰色の男たちに立ち向かうのは、ひとりの少女。その名は、モモ。

 

モモ (岩波少年文庫(127))

 

てっきり、100年前とか、ずっと昔に書かれた物語とばかり思っていた。

 

ロマンティックな物語、警鐘鳴らす洞察の書、どう評価されているのかわからないが、きっと100年後も読まれているんだろうな。