『その惑星の夢を見る』
枕元に置いて寝ると、その星の夢が見られる。
そんな噂も聞こえてくるような、メビウス画集。
" B砂漠の40日間 "
“ ラフスケッチや下書きをせずに一発描き ” というのだから、驚く。
“ しかも修正ひとつ入れずに仕上げた ” というのだから、また驚く。
しかし、眺めている間は、そんな神業、メビウスの偉業にあれやこれやなんてことにまで思い至らない。
なぜかって、その世界が豊かで鮮やかで、見入ってしまうから。
その砂漠、そこに吹いている風、奇妙なモノたちに魅入られてしまうから。
どこかにホントにある惑星の、いつか撮られたスナップ写真集を見ているよう。
線が綺麗で、心地いい。
ツノつけた木の棒、メカのような生き物のような物体が、所々に出てくるんだけど、あれ、何だろう?何なんだろう?
台詞はないし、説明もない。
でも、生きて、そこに在る、それ。
その握った感触まで感じられるような。
うっとり見入って、眠りの世界へ。
あちら側への道が開通。