『ミッシェル・ガン・エレファントという奇跡について語る その14 どっかいっちまえばいい " GT400 " 』
14曲通して聴いたとき、押し寄せてくる感動。
それは地軸が揺れているようであり、大きな波に呑みこまれるようであり、なんだかよくわからぬ衝動が内から突き上げてくるようであり、
モヤモヤしてるんだか、すっきりしてるんだか、
まあとにかく、叫べ、と、
聴く前と後とでは違った自分になっているような、
そんな凄いアルバムであった " ギヤ・ブルーズ "
次はどうなるんだ。
この先はどうなるんだ。
こんなの作っちゃったあとに何が、と。
「これ超えるのはちょっと難しいだろ」と、
「でもその先が見たい」「もっと凄いの出るはず…!」と。
そして出たのが " GT400 "
一聴、気が抜けた。
のんびり。
銀行強盗スタイルのジャケ。
ワルそうな顔つき。スーツ姿は相変わらずスタイリッシュ。
しかし流れてきたのは、のどかなギターストローク。
そして流れてきたのは、
" あい、うぉん、ざ、もーたー、さいこーおー、
あー、おっぽい、よあ、けー、ちかく "
のんびりとしたメロディ。
のどかな夢。
バイクで突っ走ってる音楽じゃない。
聴きたかったのは、爆走、蹴散らし、なぎ倒し、黒煙撒き散らすモンスターマシンの音楽なんだ……
これは夢の音楽だ。
夢で、俯瞰で、だだっ広い砂漠を走ってるバイクを眺めてる音楽だ。
だから、のんびりしてる。
「サボテンの毒針で死ぬのさ」と嘯いてみたり、
「銀行を襲うのさ」なんてつぶやいてみたり。
400の黒いやつに乗って、砂漠を走ってる、夢。
どっかいっちまえばいいね。と見てる夢。
ミッシェルの曲の中で何が好き?
との質問に、「 GT400 !!! 」と答える人は稀ではないだろうか。
しかし、「ついつい口ずさみたくなるミッシェルの曲」と言ったら?
との質問には「GT400!!!」と答える人は多いのではないのだろうか。
発表当時はあまり好きではなかった " GT400 "
しかし何かとついつい、今でも口ずさんでしまう。
" あい、うぉん、ざ、もーたー、さいこーおー、
あー、おっぽい、よあ、けー、ちかく "
なんか、いい曲なんだよな。