もっともカッコいいリセットシーンが描かれた小説といえば。
村上龍 " 五分後の世界 " であろう。
春も近いし、大掃除。棚整理。
本を片付けていたら、ひょこっと出てきて、ぺらっとめくって流し読み。
気付いたら腰据えて読み始めてる。
「5分後の世界」へ再び。
” 時代の空気、先端、「今」描く作家の話題作。問題作。
そんなオーラまとってベストセラー。
でも何年かしたら、ぱっと咲いて散った花火みたいな作品。 ”
は、ごまんとあろうが、
" 五分後の世界 "
いまだに「今」にジャスト。
異世界への適応を余儀なくされる状態に陥った、ひとりの男の話。
と「物語」として再読。やっぱり名作。
たとえば、4月。
待ち受ける現場。戦場である其処。
「新人」である「自分」は、渦中に放りこまれ、それまでとは違うスキル、振る舞いを求められる。
撤退不可避と腹を括る。
眠っている何かを発動させる。
そんな必要ある時は。
劇薬の如き一冊を。文学という名の合法薬一錠。
どんだけカッコいいんだ、おい。と、ぱたん、本閉じて、眼を開ける。鏡見る。
らんらんと、ギラギラと、開いている瞳孔。向現作用。
リセット。リスタート。
効果覿面。