ひとつの扉が閉じたとき、ひとつの扉がまた開く。 Fate / hollow ataraxia
3月。
卒業の季節。
と、ふと思い出すのは、ひとつの物語。
『Fate/hollow ataraxia』のことである。
ループ物の傑作として、引き合いに出されることの多い、
その名が出されるのであれば、
その隣には『Fate/hollow ataraxia』も並ばなければならない。
そう断言してはばからず、断固として譲らぬ覚悟さえ持って、おすすめする。
が、無論、もちろん『Fate/stay night』をプレイ後、のおすすめである。
ざっくり説明すると、
日本のどこか、架空都市を舞台にした「聖杯」モチーフの物語である。
抗争劇である。
異界の住人、" 英霊 " を相棒に、聖杯を手に入れようと戦う者たちのドラマである。
ジョジョで言うところの " スタンド " が、意思を持ち、しゃべり、彼ら彼女らにもそれぞれの思惑がある、と考えるとわかりやすいだろう。
その2人3脚っぷりが肝とも言える。
この絵、その設定。から推測される " お約束 " をきっちり果たしながら、
" 書くべきことがある "
確信がみなぎっている。
(これは、PCゲーム、シナリオゲームの枠に収まるものではない…)
と、興奮冷めやらぬまま、続編として出ていた『hollow ataraxia』をプレイ。
そして、泣いた。
シナリオゲーム「だからこそ」できた、ループの妙技。
作品にこめられたメッセージ。
" 卒業 " を、これほど真摯に、切なく、温かく描いた作品がほかにあるだろうか。
ほんとうの " 卒業 " ってのは、痛みを伴うものだ。
と、真実を突きつけ、しかし、突っぱねるわけでも、お説教するわけでもない、絶妙なバランスのその終わり。
切なく、悲しく、でも、それが真実、正しい終わり。
これを描くために、それまでがあったのではないか…
と感じるほどであった、セイバールート。
なんという才能の結集か…TYPE MOON、その名は覚えた…とひそかに胸に刻んでいたら、あれよあれよの大展開。PS版からアニメまで。
そうそう、おまけについていたミニゲームも素敵だったな。
キャラクター愛にあふれた、その距離感も心地いい花札のミニゲームに、どれだけ時間を費やしてしまったことか。
音楽もかっこよく、演出も素晴らしいということも、付け加えておこう。
3月。
卒業の季節が近づくと、毎年、ふと思い出す。
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そして、「夜」と「魔法」と「活字」を愛する人は、皆思っているはずだ。
『DDD』の続編って…
ずっと、ひたすら、待ち続けている。
ノベルス版のとき見つけて、ん?と思ったのが最初。