心地よい風が吹くところ。 " アンビエント・ドライヴァー "
細野晴臣という人は、いったい何者なんだろう???
前々から、疑問に思っていた。
YMO、はっぴぃえんど。その2つとっても、同一人物の手になるものとは思えない。
スタジオミュージシャンのようでもないし、プロデューサーという感じでもない。
肩書きは「ミュージシャン」「音楽家」としか言えないような。
楽器も、何を持っていてもかまわないような。しかし、器用な人、という感じもなく。
いったい、何者なんだろう???
と、以前から疑問に思っていたのだが。
ちくま文庫から、" アンビエント・ドライヴァー " という本が出ていた。
2006年に出版されていたものの、文庫化。
アンビエントって何なんだろう?
とも思っていたのだが、その疑問も解けた。
美しい、落ち着く、癒やしの音楽、そういった種類のもの。
となんとなく思っていたのだが、「音楽の中に環境音を取り入れる」というアイディアの試みというわけではなく、「音楽に環境音をかぶせて包みこむ」という思想を背後に持っていたのだとわかって、ちょっと納得。
YMO散開後、細野晴臣というミュージシャンが、そのとき何を考えていたのか、感じていたのか。
音楽について。世界について。未来について。
「90年代、何が起きていたのか」に関する分析もおもしろい。
YMO、はっぴぃえんど、アンビエント、ワールドミュージック。
脈絡なさそうで、つながっている。その理由がちょっとわかった一節。
創作について。
" 基本的にミューズが喜べばいい "
そのスタンス。
自由な風が吹いているわけだ。