読んでいて、痛い。我が身振り返って泣きたくなる。でも面白くて、つい読んでしまう『アラサーちゃん』
他人事ではない…
できることなら、もう誰にも知られず、なかったことにしてしまいたい過去。所業。
「ほらほら、見えてるよ」
「バレてるよ」
「ホントのところはさー」
と見透かされてるようで、痛い。恥ずかしい。
書店をぷらぷら。
ふと、気楽に笑って楽しめる漫画でも読もうと思った、その時。
飛びこんできた、
『アラサーちゃん 無修正1』
そういえば話題になってたな。と手に取った。
4コマ漫画だったんだね。
話題になってたけど、実際読むのは初めて。
「へー。" アラサーちゃん " " ゆるふわちゃん " "オラオラ君 " " 文系くん " " サバサバちゃん " " 大衆君 " " ヤリマンちゃん " " 非モテちゃん " ……」
「タイプ別にキャラクター化してるのかー」
「おもしろー」
だんだん作者が怖くなってくる。
その観察眼に恐れ入る。
今に生きる女子の生態を面白おかしく描いた、お気楽な娯楽読み物、笑ってすっきり爽快なマンガと思っていたのに。
笑いながら、痛い。
ここに描かれている、『なかったことにしていた』『気付かれていないとばかり思っていた』あれこれ。
「全部バレてるから」
「ていうか、みんな気付いてるよ?」
4コマ漫画だから、すらすら読める。
「おっもしれえなー」
と、次々繰り出されるネタに笑う。
しかし密度が、濃い。
一冊読むのに時間がかかる。すらすら読めるのに、熟読してる。
おそらく他人事ではないから、無意識に、必死。
これからの対策をアタマの片隅で練りながら読んでいるから、時間がかかる。
サザエさんでも、ちびまる子ちゃんでもいいんだけど、そういった漫画のキャラクターは、基本、成長しない。
「そういったタイプの漫画だろう」と、自然と暗黙の了解で読んでいたのだが。
" アラサーちゃんは文系くんが好き。でも振り向いてもらえない。元カレでセフレのオラオラ君とはまだ関係が続いている。
文系くんは、アラサーちゃんの友達のゆるふわちゃんが好き。でも、ゆるふわちゃんはオラオラ君が好き "
基本パターンはそのままとばかり思っていたら、動き出した。キャラクターに命あり。
4コマ。一話完結。でありながら、先の見えないドラマが始動。
スリリング。
続きが気になる。
『女くどき飯』もおもしろい…!あけっぴろげ。とても為になる。次のデートが待ち遠しくなる。狩りに出かけたくなる。恋の駆け引き、その戦場に身を投じたくなる。
『アラサーちゃん』もそうだけど、読んでると、ふつふつ力が湧いてきます。