軽やかな魔法のステップ
今日は、ジブリに感謝したい。
ハウルの軽やかな魔法のステップに感謝したい。
ジブリ映画で何がいちばん好き?
の問いに、真っ先に出てくる映画かというと、そうでもない。
そうでもないんだけど、なんか好き。
そんな方が多いんじゃないでしょうか。
タイトルの『動く城』の想像力。
現実化不可能な造形であるにもかかわらず、なんか本当にありそうだよね……!と信じさせるリアリティだけでも、何度も観返したくなる魅力があります。
序盤の敵役として出てくる、黒いぬぼーっとした生き物も小粋じゃないですか。
おそろしい魔力を持っているのに、その性格、炎として生きるのもなかなかたいへんなんだなって思わせるカルシファーなんて、一度見たら、まあ忘れませんね。
ぴょんぴょん跳ねるカカシの愛らしさなんて、もう。
見所を挙げていったらキリがないのですが、『ハウルの動く城』で、私がいつも心奪われ、「映画って、本当にいいもんですね」とつぶやいてしまうシーンがあります。
ソフィーとハウルが初めて出会う序盤、追っ手から逃れる空中散歩シーンです。
ハウルの軽やかなステップ。驚きながらも、その奇蹟に胸をときめかせ、歩を進めるソフィーの愛らしさ。
ふわっと浮かんで、宙をゆく、そのとき、見てるこっちも魔法をかけられます。
ふわっと浮かんで、別世界に引きこまれます。
驚きと、嬉しさと、軽やかな幸福感。
浸る余韻もないほどの、束の間の出来事。
でも、確かにあの時、私は空を歩いたのだ。
という、実感。
そんな経験したら、人生変わらないわけがない。
映画一本観たからって現実変わらないでしょう?
変える力があるから、映画は魔法なんでしょう。
ジブリ映画再上映、第2弾、出るといいなー。