『緑の光は夜明けを告げる歌となる』
レゲエばかり聴いていた時期がある。
基本、ロックやパンクや、エレクトリックなギターをズギャーンとかき鳴らし叫び喚き、ドラムがドコドコズガンズガンと叩きまくり、
混沌の渦は極彩色のマーブル、
思わず踊り騒ぎたくなるような、エモーショナルなうるさい音楽が好きなのだけれど、
たまたま知り合った友人たちが、
「こんなのあるよ、これ聴いてみてよ。これもいいし、これもこれも」
と教えてくれたのが、レゲエミュージック。
遊びに行くと、いつも流れていた。
誰が歌っているとか、どんなことを歌っているのかとか、詳しいことは知らない。
だが、その心地よさ、音そのものの気持ちよさは知っている。
意識は覚醒してるのに、ゆったりくつろぐ緑の力。
ルーツの誇りを血肉と、大地より神へ、大いなるものへ。
広がる緑と空と風と、鼓動打つ " 今ここ " の命がシンクロナイズ。
人が歌う。" 神 " に捧ぐ。
緑や空や風をトラックに。
あるいは緑や空や風の歌に応えるように。
森羅万象と命を共鳴させる、それもまた壮大なオーケストラである、
と、ファンタンモジャの " Hail the king " を聴いていると思うのである。
正確なところ、何を歌っているのかは知らない。
だが、信仰は違えど、芯の願いは同じだろう。
音そのものの持つ力。こめられる念。想い。
その足で立っている、今ここで呼吸している、そこから生まれる祈り。
地に足の着いた歌の力強さ。
スケールがでかい。
歌うべき事柄があり、歌う力を授かった。
伝えなければならないことがあり、伝える力を授かった。
その眼、その声、その言葉。