SOUL EAT!!!

ぐるぐる回る 風の時代がやってくる

修羅の国へ、ようこそ

 

今日は『ウィッチャー3』の主人公ゲラルトに、強いメンタルの作り方を学びたい。

そこが地獄であろうが魔界であろうが、果敢に飛びこむ勇気と、心を平静に保つ術を学びたい。

 

ウィッチャー3 ワイルドハント ゲームオブザイヤーエディション 【CEROレーティング「Z」】 - PS4

 

Z指定は伊達ではない。

美しいグラフィックに、陰惨極まりない地獄絵図。

 

風光明媚な自然世界を馬で疾駆する、爽快感。

むごたらしい、救いのないエピソードによって生じる絶望感。虚無感。

美しさとおぞましさの渾然となったこの世界を堪能できるのは、酸いも甘いも嚙み分けてきた大人たちだけだろう。

 

 

主人公ゲラルトは常人ではない。

この世の闇を知り、魔法を使い、剣を振るい、怪物を退治する異端の存在、ウィッチャーである。

中世ヨーロッパで魔女が迫害されたように、ウィッチャーもまた偏見の眼で見られ、忌避され、畏怖されている。

 

 

ゲームプレイ自体は操作に慣れてしまえば快適で、さくさく進めることができる。

魔法と剣を使った戦闘もコンビネーションがはまると気持ちがよい。

全世界を震撼させるほどの危機に立ち向かう、壮大なロマンには胸が躍る。

気のいい仲間たちとのやり取りも楽しい。

 

 

問題は、プレイヤーの心を折りにくる、『声』だ。

 

 

ひどい依頼。むごい現状。悪夢のような結果。

は、耐えられる。

意を決してエピソードに飛びこみ、いくらかの後味の悪さがあっても、一歩前進したことは間違いなく、ひとつやり遂げた達成感は味わうことができる。

 

 

プレイヤーの心を折りにくるのは、街だ。

人との関わりだ。

 

 

街を歩いているだけで、罵声が浴びせられる。

唾を吐かれることもある。

侮り、蔑み、憎しみをこめた言葉のつぶてが、街を行くだけで、容赦なく降り注ぐ。

 

異端と認定された存在の悲しみ、苦しみ、やるせなさがいやというほど感じられる。

 

 

それでも、ゲラルトは己の決めた道を行く。

面倒なことになったら容赦なく斬り捨て、

したたかに、タフに、大切なものを守り、生きる。

 

 

おまえら木っ端に関わってる暇はない。

と一瞥くれることもなく、もはやその程度の罵詈雑言など豚の鳴き声でしかない、と全く気にかけることなく、ゲラルトは行く。

 

くだらない奴等はどこにでもいる。

とか、

相手にしてもしょうがない、そんな奴。

とか、

自分に言い聞かせたり、己のプライド証明するためになんやかんやと心を騒がせない。

 

 

だって、耳障りな獣の鳴き声でしかないのだから。

 

 

行くべき場所がある。

護りたいものがある。

だから、ゲラルトは走る。馬を駆る。

 

 

胸に愛を宿すか、冷酷に現実を裁いていくか、それはプレイヤーに委ねられている。

愛ある選択が必ずしも実りある結果をもたらすとは限らない、シビアな世界だ。

 

それでも、選ぶのだ。

 どんな結果が待ち受けていようと、

己が、選ぶのだ。

 

 ダウンロードコンテンツ第2弾 " 血塗られた美酒 " の解放感は素晴らしいですね。

光と風とワインの国、トゥサンの描写の美しいこと!