『竜をつかまえにゆく』
今週のお題「最近おもしろかった本」
アーシュラ・K .ル=グウィンで『夜の言葉』
その名、そのタイトル、それだけで魔法が発動しそう。
『ゲド戦記』で知られる、ル=グウィンの " ファンタジー・SF論 "
- 作者: アーシュラ・K.ル=グウィン,Ursula K. Le Guin,山田和子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/05/16
- メディア: 文庫
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今から40年近く前に発表されたものだけれど、古さをまったく感じない。
言葉とは何か。
物語とは何か。
いまだ誤解され貶められ過信され利用され、この世界の半分を作っているというのに、まともに論じられることも少なく、水や空気のように扱われている、言葉や、物語。
魔法について。
ある人にとっては、優れた文学評論集となるだろう。
ある人にとっては、わかりやすい " ファンタジー・SF " 入門編となるだろう。
ある人にとっては、未開の地、切り開かんとする " 冒険の書 / その手引き " となるだろう。
" 竜をつかまえに "
どこにいるんだろうね?
場所は書いてあるんだけれど。
さて。どうやって?
わからないけど、掴まえたい、その竜。
気配は感じる。ででで、でかい…
さて、どうしよう?
内界、旅に出る。
孤独な旅路に、先人の灯した光と足跡。
同じ道はない。同じ竜もいない。同じやり方が通用するわけでもない。
それでも、その気配感じ、呼び声聴こえたのなら、旅に出ずにはいられない。
はじめての道だから、よく迷う。
ガイドブックじゃないから、正しい道は書いてない。
「竜という種族はね…」
習性だけは、ちょこっと書いてある。
伝説のハンターが記した " 秘密の魔法の書 " を読む新人狩人のような気持ちになって紐解く『夜の言葉』
つかまえたい。その竜。