その4 『hideの音楽は今も新しいこと』
今も生きているような不思議な存在感。
残した作品の数々、その遍歴をたどっていると、もう彼はいないとわかっているのに、つい『次は何をするんだろう?』と胸をときめかせてしまう。
ジャンル混合のフェス、ありえないと思っていたコラボレーション、今ではもう普通のこととなった境界フリーな企画も、hideという存在がなかったら、ちょっと違ったものになっていただろうと思う。
どの曲がおすすめ?
どのアルバムから聴けばいい?
もちろんコアなファンは言うだろう。
X→X JAPANと並行して、順を追って聴くべし、と。
確かに、時系列に沿って聴いていくと、本当に面白い。変化していくのがわかるし、その時代の空気も感じることができる。
やっぱり僕もそう思う。
アルバムごとにカラーがあって、どれもバリエーションに富んでいて、飽きない。
3rdアルバム『ya, zoo』、そして、zilch。
まさにこれから、というときだった。
ポップセンス炸裂のお祭り騒ぎと、クールで硬質な『カッコいい』ロックと。二極化したその先にどんな奇跡が待ち受けていたのか、可能性だけ示して、彼は行ってしまった。
温かみのあるギターの音色。ラウドで激しい鋼鉄の音。
優しすぎる歌と心と。日本語の面白さを生かした、hideならではの言語感覚と。
そのヴィジュアル。イメージの世界と。
早く聴きたくて聴きたくて、学校から帰って即CDショップに走り、どきどきしながら盤をセットして。
3rdシングル『DICE』の思い出。
スピーカーから流れてきた、ドリルで壁を壊していくようなそのイントロ。
痺れるような、その感覚。
聴き終わって、呆然。
もう一回、と再生ボタン。
『カッコよすぎる…』
その感覚を今もはっきりと覚えている。
代表曲は?
おすすめのアルバムは?
何でもいいから聴いてみって。
七変化でいながら、どれも違わずhide印。
どれもすげえカッコいい。