『論理の刃で斬り裂け、無明 “14歳からの哲学/池田晶子 ”』
『生と死は表裏一体』
などと言う。
『白』か『黒』か。
まるでオセロだ。
『生』と『死』はオセロなのか。
いや、待て。
『死ぬ』って、なんだ?
生まれる前。
とは、概念でわかる。
だが、生まれる前って、何だ?
そもそも、『わたし』って、何だ?
?
それを『考える』ことを『哲学』って言うんだよ。
宇宙に放り投げられて、ぐるぐるさまよって、
もう、どうしようもない!と諦めそうになるとき。
もう大丈夫。
ここに戻ってくればいいから。
屹立する、光の尖塔のような、
峻厳なのに温かい、
その言葉。その思考。
強く生き抜くための武器。
傷つけるためでなく、字義通り、『武』の『器』としての『知性』
なんか、みんな、考えてないような気がする…
『生』とか『死』とか、もっと知りたい…考えたい…
そういう風に考えるのって、おかしいのかな…
などと考える若い人にこそ、絶対に読んでおいたほうがいい、
必読!必ず、読むべし!!
の書群。
その中から、まずはこの一冊を。
本当に、この本が、
中学校の授業としてカリキュラムに組みこまれたら?
と夢想するのは、おもしろい。
どうなるんだろ?世界?
一読、二読どころか、何回も何回も、
人生の節目節目、傍らに置いて『対話』することで、どれほど勇気を得るだろう、火がつくのだろう。
ここでおすすめしなくとも、間違いなく後世に残る名著。
悩むところは、そこじゃない。
そうわかるだけでも、数倍、生きるのが楽になる。
この本を書かれて、池田晶子さんは亡くなられた。
その、凛たる結晶のごとき、生と著作。
『生きること』
『死ぬこと』
14歳に向けて書かれた、この
『14歳からの哲学』
『後から来た人』への優しさに満ちた、ほんものの『先生』の本である。