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SOUL EAT!!!

歓び跳ねる、踊り狂う、炸裂する虹、そのかけらを一灯

『黒い焔も透明なれば。哀しみのダンピール" D "の旅に終わりは来るのか 』

小説 / 本

 

吸血鬼が好きだ。

『吸血鬼』と聞くと血が騒ぐ。『ヴァンパイア』の文字を見ると、つい立ち止まってしまう。

『怪物』『異形』『モンスター』『化物』の言葉にも、ぴんと無意識が反応してしまうのだが、その中でも、『吸血鬼』は特別である。

なぜだろう。

 

彼らには『誇り』がある。高貴な『美学』がある。

卑しくて貧しい心根を持った吸血鬼を、吸血鬼とは呼ばない。

卑しくて貧しい心を持った人間を餌としないところにも、やはり独特のこだわりとセンスを感じさせる。

 

不死の身をもつが、弱点を持つ。

陽光と大蒜と銀の十字架と。

最近では、大蒜も銀の十字架も平気な吸血鬼が増えていると思う。

しかし、相変わらず、日光は苦手である。

 

乱杭歯である。

血を吸うのである。

杭のような歯、牙を持たぬものを吸血鬼とは呼ばない。

 

『血』にはこだわる。

『美味』『不美味』のテイスティングにはうるさい。

誰彼かまわず襲わない。

彼らは精神異常者でもなければ、殺したくてたまらない、暴れなくては気がすまない、鬱屈した精神とは無縁なのだ。

カッとなって、ついやっちまった…

などという過ちはけっして冒さない。

彼らには『知性』があるのだ。

唯一、血の渇きにだけは耐えられない。よい品種の血を渇望するその心持ちは、まさに『狂おしいほど』であり、やむを得ず手ごろな血でその欲求を満たしてしまったときなどは、激しく後悔する。しかし、そんなことはすぐ忘れる。

ウジウジ。くよくよ。

という言葉は彼らの中にない。

 

彼らは『貴族』である。

自分たちが一番だと思っている。信じて疑わずにいる。

己の出自をけっして卑下したりしない。

かしづかれるのが当然とわきまえている。

誰かの下につく、という発想がそもそもない。

しかし吸血鬼界のヒエラルキーには従う。

しかし必要以上にへりくだったりはしない。

やはりどこまでも『高貴』、『誇り』を持つのである。

 

そして、やはり、『夜に棲むもの』である。

 

僕の『吸血鬼』の定義はこんな感じである。異論、補足のご意見は多々あろうが、まあ、そこは。

ここ最近の素晴らしかった吸血鬼ものといえば、やはり『ぼくのエリ』であろう。

『30デイズナイト』の吸血鬼も素晴らしかった。レコードのシーンには、「おお…!こんな魅せ方があったか…!」の驚き。ラストシーンのあの滅びのイメージも素敵だった。

 『スペースバンパイア』も必見の傑作である。

 ここ最近の大ヒット吸血鬼ものといえば、『トワイライト』

しかし、まだ観ていない。観ていないが、恋の匂いがする。

吸血鬼には恋が似合う。

大ヒットするのもうなずける。観てはいないがよくわかる。

吸血鬼には色気がある。官能の匂いがある。恋物語がヒットするのは至極当然なことである。

 

というわけで、恋をするならバンパイア。

 

その中でも、とりわけ恋をするに値する、

心奪われ、血も吸われてもいい、

その魅力に満ち満ち、溢れに溢れた、最高の吸血鬼がいる。

 

“D”である。

 

吸血鬼ハンター5 夢なりし“D”

 

正確には、吸血鬼というより、“ダンピール”、人間との混血なのだが、その“ダンピール”であることが、まず“D”を語るうえではずせない。

 吸血鬼と人間の混血。

その彼の生業は、“吸血鬼ハンター”。

 もう、存在が呪われている。

彼に友と呼ぶべき者はいない。

『敵』となるもの、『依頼人』となるもの、それしかない。

『左手の老人』も、“D”を助けることはあっても、ただの旅の道連れ、見届ける者でしかない。

 

非情。

そして、美しい。

 その場に存在するすべてのものが心ときめかせるほどに、美しい。

死せる者すら、彼の訪れに、再び生の焔を煌かせてしまうほどに、美しい。

荒廃した『辺境』の町をゆく、孤高にして美貌の剣士、“D”

 

 砂塵舞う、見捨てられた地を、彼は、ひとり、行く。

町から町へ。村から村へ。

吸血鬼は必ず、狩る。

受けた依頼は必ず、果たす。

 

近未来を舞台にし、吸血鬼を描き、『西部劇の凄腕』をモチーフとした連作。

老いも若きも、男も女も、魅了する、魔界の男 " D "

さすらい続けるDの旅に終わりは来るのか。

最後の最後、彼はやっぱり微笑むのだろうか。

『人間』でしかない『吸血鬼』の、至上の笑みを、見せてくれるだろうか。

 

 

吸血鬼ハンター4 D-死街譚

個人的には、『移動する街』を舞台にした『死街譚』が好きです。

 

 

 

『魔界に棲むもの。その絶世の美貌』 - SOUL EAT!!!